陶芸作家 橋本さんのこと。about Naomi Hashimoto

もんじゃ屋さんで飲みすぎる about Naomi Hashimoto

月島のもんじゃ焼き屋さんで、SHIBUKAWA+の記念すべき1回目の打合せ。
昨年の年の瀬のことです。

はるばる大分から、日本橋に個展でやってきた橋本さんを捕まえ、せっかくだから東京っぽいものをということでもんじゃ焼き屋さんへ。まずはビール、もう一杯ビール、続いてサワー、さらに・・・とシブカワメンバーもよく飲みますが、橋本さんも強い。

いやいや、でも、「+mom」の打合せもしましたよ(笑)打合せ2割、飲み8割な感じですかね。やっぱり飲みすぎですね。2次会も行ってますしね。ただ、打合せ以上に橋本さんについていろいろ聞けたことが収穫でした。昔ウィンドサーフィンの国体選手だったこと、農水省で働いていたこと、京都に住んでいたこと、陶芸を始めたのは友達に誘われた陶芸教室がきっかけだったこと、あとは、、、お酒の席での話ですので、、、割愛します(笑)

とっても自然体でとっても優しくて、でも芯は強くて。いい人なんですよねー、橋本さん。

いざ工房へ!? about Naomi Hashimoto

そもそも僕らと橋本さんが知り合ったのは昨年の6月。
東京から大分へ帰る県庁職員を追うようにシブカワメンバーで旅に出て、その方が僕らがシブカワなものが好きだからということでわざわざ紹介してくれたんです。話は脱線しますけど、いい人なんですよこの県庁職員の方。車を出してくれて全力で大分を紹介してくれて。やっぱ熱いなー九州男児。僕が女だったら、九州男児と結婚するな。いや相手によるか。そんなことどうでもいいか。(※写真の真ん中が噂の九州男児。シブカワオリジナルのLOVE OITA Tシャツが似合ってますね)

陶芸作家の工房めざし、県庁職員の車は進みます。てっきり鹿とかイノシシとかでそうな山奥に行くのかと思いきや、家がひしめく住宅街へ。なんだ?道に迷ったのか?
やがて車は止まり、「着きました」と。

・・・おや?よく見ると、家のガレージの中が陶芸の工房になっているではないか!電気窯も格納されているではないか!

「こんなところですみません。はずかしい」
奥からはにかんで出て来た女性、それが陶芸作家・橋本尚美さんだったのです。

ろくろを使わない理由 about Naomi Hashimoto

橋本さんは陶芸家ですが、基本的にろくろを使わないんです。
「ろくろが苦手なんです」と謙遜して言いますが、使わない理由はもっと他にあるんです。それは、ろくろだと橋本さんが表現したいカタチを作れないから。

橋本さんが表現したいのは「自然の中の気になるカタチ」。花びらや、葉や茎のカタチ、虫だと蝶々。山の稜線とか、波の光とか、湯けむりとか。せっかく大分に住んでいるんだから、「大分で感じるものをカタチにしたい」と。

これ、、、カッコよくないですか?僕はこれ名言だと思いました。カッコいいのは九州男児だけではなかった。九州女児(女児でいいのか?)もまたイケているのである。

では、ろくろじゃないと、どうやってつくるのか?
手びねり(完全な手仕事)と型をつかってつくっています。
だから、ろくろで回転させてつくるよりも複雑なカタチとかあえて不安定なカタチが表現できるんですね。
でも、型が乾くのに1ヶ月ほどかかりますし、型からはずした粘土の乾燥も5日ほどかかります。結構根気がいる作業ですよね。

実は穴フェチです about Naomi Hashimoto

実は橋本さんは作品に穴をあけるのが大好き。かなり抑えてますが(笑)
まあ言うならば、「穴フェチ」ですね。
なんで穴あけたいんですか?と聞くと・・・

「危ういような儚いような。。でも、そのカタチを保つ強さも感じれるかな」と。

なんか、それを聞いて。妙に腑に落ちたというか。
橋本尚美という1人の人間の人生というか。今まで生きていたいろんな要素がひとつの作品に詰まってるんだなと。勝手に思ってしまった。

橋本さんは、ウィンドサーフィンの元国体選手。農水省でも働いていた。
海も花も山も自然が好きで、変に飾ることなく生きている。
でも、結構酒は飲む。飲むとちょっとおしゃべりになる。
自然の儚さや強さを表現したいから、あえてろくろは使わない。
そしてついつい穴を開けてしまう。

いつも自然体、でもいつもチャレンジャー。

SHIBUKAWA+mom
できるかまだ分からないけれど(笑)
試行錯誤しながら制作中です!

陶芸家 橋本尚美 Naomi Hashimoto

  • 略歴
    • 愛知県名古屋市出身
    • 農林水産省、京都府庁での勤務を経て陶芸の道へ
    • 1997年
      友人の誘いもあり熊本市内の陶芸教室で、陶芸を始める
    • 2002年
      熊本の出窯(いずるかま)にて1年半ほど修行
    • 2003年
      京都造形芸術大学 芸術科 陶芸コース入学
    • 2006年
      京都造形芸術大学 美術科 陶芸コース卒業
    • 2009年
      atelier703(アトリエナオミ)開窯
    • 2010年
      宮崎ともしびアート展 グランプリ受賞
    • 2011年
      大分 花民 大分の女流工芸家展 出展
    • 2012年
      福岡 エンジョイスペース大名 大分の工芸家展 出展
    • 2013年
      東京 青山スパイラル 暮らしの中の道具たち 出展
      東京 渋谷ヒカリエ D&DEPARTMENT おおいたあぐる 出展 など
    • 2014年
      東京 STITCH TOKYO 手しごと展 出展
      大分 トキハ百貨店 個展
      東京 坐来 個展 など
  • 特技
    ウィンドサーフィン、ヨット(いずれも国体出場)
  • 好物
    お寿司、うどん、ヤムウンセン(タイ料理)
陶芸家 橋本尚美 Naomi Hashimoto

Written by 中川所長

広告会社のマーケティングディレクター。
日本のものづくりが大好きで日本シブカワ研究所を立ち上げる。
特にやきものと落語にハマっている。
好きな言葉「勝手に生きよう by 立川談志」

香りを持ち歩くアクセサリー 母の日にお母さんに贈りたくなるシブカワなもの、できました。